ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

勇者サマヤ物語 0024

 会話、スタートだ。

「おはようございます」と、俺。

「あ、おはようございます」と、アシガム。

 素敵なコミュニケーションは、快活な挨拶から始まるのだ。ファースト・コンタクトの感触は良好。これなら、おはようのオーディションにも合格できるはず。

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勇者サマヤ物語 0022

 前のページで、いきなり聖書の話をした理由はと言うと、シノアリの町を出る時、ナミハが文庫化された聖書を持って来ていたからだ。呪文によって縮小化されたコピー本なので、簡単に持ち歩けるらしい。ただし、ナミハ以外に本の所有権が移ると、本は消えるとのこと。どうして、そんなどうでもいい制約を付けた?

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勇者サマヤ物語 0021

 どうも。運命の戦士です。

 突然だが、今日は面白くない話をしようと思う。

 本当は、ユーモアにも富んだ運命の戦士たるこの俺が、面白くない話などするべきではないのだが、何となくそういう気分だったので、これはもう仕方がない。読者にとっては退屈なものになるかも知れないが、そんなことは俺の気にするところではないので、俺は俺の思うように文章を書く。文句がある奴はいつでも挑んでこい。

 本題に入ろう。

 『聖書』と呼ばれる書物が存在する。何千年も前に、賢者キュエリムによって著された本だ。それは、別世界の成り立ちを記した書物

 その一ページ目で、人類は一度、絶滅してしまう。そして、長い時を経て、人類は新たな存在として生まれ変わるのだ。つまり、魔王による世界の破滅と、神による世界の再生。それらを長々とした物語調に編集して、一般人にも分かるように内容を簡略化した物が、ここで言う聖書である。一ページ目でいきなり人類が絶滅するという凄まじい内容は、一般人にもかなりウケた。聖書は、今では学校教育にも使われており、その内容を知らない者はいない。赤ん坊でも知ってる。子守唄として、親に何度も何度も聞かされるからだ。かわいそうに。

 魔王ジャギスは、この聖書の内容に則り、世界をとりあえず破壊してしまおうとしている。その後、世界を再生しようとする神をも打倒し、その力を奪おうとしているはずだ。具体的にどうやって神を倒すのかは知らないしどうでもいいが、とにかく奴の最終目標はそんな感じだと明らかになっている。自分で言ってたからな。

 ジャギスが魔王になった後、俺は一度だけ奴と会った。奴の方から出向いてきたのだ。目的は俺の抹殺。あの時は、大量の魔物を連れて現れた奴に、冗談抜きで殺されかけたので、かなり焦ったのを覚えている。奴の最終目標は、その時に聞いた。俺を半殺しにして動けなくした後、楽しそうに語ってくれたよ。ちなみに、どのくらい死にかけたかと言うと、魔力も体力もほとんど使い果たして動けなくなった上に、左腕と右脚をパッツリ切断されて、痛すぎて痛すぎてもう泣いたーって感じだ。実際は泣いてない。しかしまあ、よく生きてたな、俺。さすがは運命の戦士だ。

 はい、面白くない話は終わり!

 それなりの距離を移動したし、そろそろこの辺りで止まって、野営でもしよう。ゲイも疲れただろう。ゆっくり休め。

 

 つづく。

 

勇者サマヤ物語 0020

 ここ数日で、たくさんの文章を書いたので、ちょっとした腱鞘炎になったような気がする。いや、そこまで大袈裟なものではないか。たまにピキッと痛むだけだ。運命の戦士である俺は、つまりは小説家ではないので、筆を取って字を書くことには不慣れである。俺の本来の趣味は、官能小説を読むこと、そしてその内容に関する評論を友人と交わすこと、なのだ。ここで言う友人とは、主にトウヨウのことだ。

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