勇者サマヤ物語 0028
「ここです」
これは小さなラーメン屋だ。
「ここ……なのか?」
キュウが場所を間違っている可能性もあるので、一応、確認しておく。
「はい。ここです」
ここらしい。店先の看板には『ラーメン処!!アソコ亭!!』と黄色の文字で書かれていた。文字から凄まじい気迫が伝わってくる。アソコってどこだよ。
続きを読む勇者サマヤ物語 0026
この若さで俺とまともに戦えそうな力を持っているとは……末恐ろしい少女だ。俺はキュウを見た。キュウはボーッとしている。こうして見ると隙だらけで、歳相応の少女なのだが……。たぶん、というか間違いなく、ナミハの喋り方を変えたのはキュウの魔法だろう。どうしてそんな下らない魔法をあのタイミングで使ったのか? 自由すぎる。
続きを読む勇者サマヤ物語 0025
そうだ、混同してる人がいるかも知れないから言っておくけど、これまでの話に出てきた『魔法』と『呪文』とは同じ存在だからね。二通りの表現があるってだけ。これに関しては俺の描写に問題があったので、素直に謝罪です……とか言うと思ったか? 解説してやっただけありがたいと思えよ。
続きを読む勇者サマヤ物語 0024
会話、スタートだ。
「おはようございます」と、俺。
「あ、おはようございます」と、アシガム。
素敵なコミュニケーションは、快活な挨拶から始まるのだ。ファースト・コンタクトの感触は良好。これなら、おはようのオーディションにも合格できるはず。
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