ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

勇者サマヤ物語 0028

「ここです」

 これは小さなラーメン屋だ。

「ここ……なのか?」

 キュウが場所を間違っている可能性もあるので、一応、確認しておく。

「はい。ここです」

 ここらしい。店先の看板には『ラーメン処!!アソコ亭!!』と黄色の文字で書かれていた。文字から凄まじい気迫が伝わってくる。アソコってどこだよ。

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勇者サマヤ物語 0027

 というわけで、俺達四人はブルグラ王国に来ていた。俺が初めてこの国を訪れたのは十年近く前のことだが、活気に満ちた国民達の様子は相変わらずだった。そうだ、後で代わりのテントを買っておかなければ。ナミハに行かせるとしよう。

「シノアリの町に似て、いい雰囲気の国だなー! いつかスキルメソッズのみんなも連れて来たいよ」

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勇者サマヤ物語 0026

 この若さで俺とまともに戦えそうな力を持っているとは……末恐ろしい少女だ。俺はキュウを見た。キュウはボーッとしている。こうして見ると隙だらけで、歳相応の少女なのだが……。たぶん、というか間違いなく、ナミハの喋り方を変えたのはキュウの魔法だろう。どうしてそんな下らない魔法をあのタイミングで使ったのか? 自由すぎる。

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勇者サマヤ物語 0025

 そうだ、混同してる人がいるかも知れないから言っておくけど、これまでの話に出てきた『魔法』と『呪文』とは同じ存在だからね。二通りの表現があるってだけ。これに関しては俺の描写に問題があったので、素直に謝罪です……とか言うと思ったか? 解説してやっただけありがたいと思えよ。

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勇者サマヤ物語 0024

 会話、スタートだ。

「おはようございます」と、俺。

「あ、おはようございます」と、アシガム。

 素敵なコミュニケーションは、快活な挨拶から始まるのだ。ファースト・コンタクトの感触は良好。これなら、おはようのオーディションにも合格できるはず。

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