ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

2017-08-17から1日間の記事一覧

勇者サマヤ物語 0018

後で聞いた話だが、宴会でテンションを上げすぎたナミハは、酒を飲みに飲んで酔っ払い、「おちんちん食べたいの〜」と叫びながら町内を走り回っていたらしい。う〜ん……やっぱり連れて行くのはやめとこうかな? ちょっと悩む。

勇者サマヤ物語 0017

ミナカタの言葉通り、夜には派手な宴会が開催された。それより少し前に、シノアリ流のオモテナシとやらも受けた。内容は具体的には書けないが、なかなかにグッドな経験ができたということだけは言える。つまり、ミナカタが勧めてくれた高級娼館をタダで利用…

勇者サマヤ物語 0016

町に戻った俺達は、その足でミナカタに討伐完了の旨を伝えに行った。俺は宿屋に戻って寝たかったのだが、スカミットがキャンキャンうるさかったので、仕方なく。 「――というわけで、お二人は邪竜討伐を見事に! 成し遂げたんです!」 今もキャンキャンうるさ…

勇者サマヤ物語 0015

片方の翼を両断された竜は、あっさりと戦意を喪失し、ウンコブレードによって絶命させられることとなった。ネーミングが幼稚だと感じた人もいるだろうが、俺はこういう人間なので、気にしないで欲しい。もう一度言うが、俺はこういう人間だ。これまでも、こ…

勇者サマヤ物語 0014

奥に進むと広い空間に出た。そこでは、赤黒い鱗を持つ竜と一人の男が、激しい戦闘を繰り広げていた。竜の方には目立った外傷はないし、特に疲労しているわけでもなさそうだ。対して男の方は、大きな傷はないものの、汗だくで疲労困憊といった様子。どうやら…

勇者サマヤ物語 0013

後でスカミットに訊ねてみたところ、例の赤い果実は『イノカリ』という名前らしい。噛むと果汁が口内に広がり、独特の味と香りを感じさせてくれる。腹が減って仕方がない時に食べると、多少は美味いと思えるかも知れない。そんな味だ。 そんな話はどうでもよ…

勇者サマヤ物語 0012

腹が減ったので、町を出る前に食事処に向かうことにした。 「えっ、サマヤさん? どこに行くんですか?」 うるさい、黙ってろ。とは言わず、丁寧に解説してやる。この優しさを全国の諸君にも見習って欲しい。おお運命の戦士であるサマヤよ! 汝は……いや、ち…

勇者サマヤ物語 0011

ミナカタ邸に着いた。きらびやかな装飾を施された住居が、高めの塀に囲まれている。金に物を言わせたような見た目だが、これはミナカタ本人の趣味なのだろうか。だとしたら、少しだけ幻滅だ。 塀には表札が付いていた。大きな文字で『ミナカタ』と、そしてそ…

勇者サマヤ物語 0010

ふとした思い付きで書き始めた手記も、ついに十ページ目を迎えた。ちょっと嬉しい。最初は五ページ目くらいでやめようと思っていたのだが……。この手記の一部を公開した後、登場人物達の反応を窺うのが、俺のちょっとした娯楽になっている。

勇者サマヤ物語 0009

道中、謎の集団と遭遇した。 十人くらいの男達だ。それぞれが短剣を携えており、動きやすそうな服で身を包んでいる。何人かは短剣を懐に隠しているようだが、運命の戦士たる俺にはバレバレだ。 大貴族の私兵団か、私設の盗賊団か……そのどちらかに見える。い…

勇者サマヤ物語 0008

夢の中で寝込んでいる俺を見ていると、現在の俺が目を覚ました。つまり、おはようございます、ということだ。バアちゃんに買ってもらった腕時計を持ってくるのを忘れたので、正確な時刻は分からないが、腹の空き具合から察するに、たぶん今は朝の五時くらい…

勇者サマヤ物語 0007

夢なう。 何かよく分からないけど、宙に浮いてるなう。自分の意思では動けない。 「一体どうして……何故なんだ!?」 俺の声だ。イケボだなぁ。 「答えろよ、ジャギス!!」 どうやら俺はジャギスと話しているらしいよ。