ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

勇者サマヤ物語 0001

 俺はサマヤ。運命の戦士だ。運命の戦士と呼ばれる程の男なので、とても強い。どのくらい強いのかと言うと、この世を支配しようとしている魔王ジャギスを倒そうと考えているくらいには強い。これは余談だが、仲の良い友人達には『マーちゃん』と呼ばれている。

 ビーエフでも、オバウォでも、俺は悪くない戦績を残してきた。具体的に語るのは面倒なので割愛するが、とりあえず一般人よりは圧倒的に強い。これを読んでいる君達の中には、俺より強い者がいるかも知れない。しかし、ここでは俺が主人公だ。

 今日は出立の日。国王に呼び出されたので、俺は朝から王城に足を運ぶ羽目に。こういう時は低血圧なのが辛いところだ。

「では、サマヤよ。魔王討伐はお主に任せたぞ」

 国王であるアララキが言った。

「お任せ下さい、国王様」

 俺は自信に満ちた笑みを湛えつつ、アララキに向かって頭を下げた。餞別として何か渡してくれるのかと思い、しばらくその場に突っ立っていたのだが、特に何もくれなかった。とても貧乏な国だから、仕方のないことだ。俺は仏頂面で城を後にした。

 魔王は数多の魔物を配下に持っている。中には強力な魔物もいるらしいので、俺一人で殲滅するのは骨が折れそうだ。というか無理だ。俺は仲間を集めつつ、徐々に魔王軍の戦力を削っていくことにした。

 

 つづく。