ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

勇者サマヤ物語 0024

 会話、スタートだ。

「おはようございます」と、俺。

「あ、おはようございます」と、アシガム。

 素敵なコミュニケーションは、快活な挨拶から始まるのだ。ファースト・コンタクトの感触は良好。これなら、おはようのオーディションにも合格できるはず。

「待ってくれ。まず、俺達は盗賊じゃない」

 いやごめん嘘。何かを盗んでいるところは見たことがないが、確かナミハは盗賊だった気がする。盗賊だよね? ナンチャラカンチャラって名前の盗賊団を率いてたもんね? うーん……違ったかも知れない。だとするとナミハは何なんだっけ? おちんちん食べたがり屋さんかな? スーパーダンサーかな?

「盗賊じゃない……? いや、信用できないなー」

 俺のどうでもよすぎる思考は、アシガムの返答のおかげで終了した。

「そうだろうな。だから、少しだけ俺の話を聞いてくれ」

 俺は両手を挙げ、抵抗の意思がないことを示した。数秒遅れて、ナミハも同様に両手を挙げた。ぶっちゃけ、運命の戦士である俺なら、両手を挙げてても人間一人なら簡単に消し飛ばせるので、この行為には何の意味もない。だが、俺とは出会ったばかりのアシガムに、そんなことは分かるはずもなかった。

「……分かった。話してみて」

 よし。

 ということで、アシガムに様々なことを教えた。俺達の素性、旅の目的、好きな女性のタイプ、オナニーの頻度や行為中の体勢、その他諸々について。特に、性癖についてなんかは、かなり話が合っていた気がする。

 話が一段落つくと、アシガムが唐突にこう叫んだ。

「キュウさーん! この人達は盗賊じゃなかったよー!」

「?」

 すると、近くの茂みから一人の少女が姿を現した。たぶん十歳くらいかな? 可愛いね。

「紹介するよ。この子が僕の相棒のキュウさん」

「えっと、キュウっていいます。今は十歳です。一応……魔法少女、やってます、はい」

 個性的な自己紹介だね。

 

 つづく。