ペンは剣よりも強し。

主にOverwatchの記事を書きます。

勇者サマヤ物語 0026

 この若さで俺とまともに戦えそうな力を持っているとは……末恐ろしい少女だ。俺はキュウを見た。キュウはボーッとしている。こうして見ると隙だらけで、歳相応の少女なのだが……。たぶん、というか間違いなく、ナミハの喋り方を変えたのはキュウの魔法だろう。どうしてそんな下らない魔法をあのタイミングで使ったのか? 自由すぎる。

「事情は分かった。その盗賊団だけど、今後しばらくは現れないと思う。リーダーが失踪したからな」

 これは間違っていないと思う。

「そうなの?」

 アシガムは目を丸くした。

 あ、キュウがまた寝た。もしかして、目を閉じているだけなのだろうか? 要検証だな。

「ソウナンダヨ。オレガ……イヤ、ナンデモナイ」

 ナミハ。どうするんだ。

「え? もしかして、君が何かしてくれたの? ありがたいなー!」

 アシガムは何か幸せな勘違いをしているようだ。世の中には知らない方がいいこともある。キュウは何かを察したような瞳で俺達を見ていたが、特に言葉は発しなかった。空気が読める子供は好きだ。後で飴でもあげるとしよう。というか、いつの間に起きた? ……まあいい。この方向で話を進めるぞ。

「イヤ……ハハハ……マアネ」

「なら、これで目的は達成だ! 報酬はナミハさんと山分けにしよう。キュウさん、いいよね?」

「まあ、いいんじゃないですか」

 キュウは報酬になど興味がなさそうな態度で答えた。何か……闇が深そうな子供だな。すごく特殊な事情を抱えていそうだ。俺には関係ないから、どうでもいいけど。

「じゃあ、僕達はブルグラに戻るよ。君達はどうするの?」

 これはグッドタイミングだ。一緒に行って、そのまま報酬を受け取ってしまおう。山分けにしてくれるって言ったよな。ナミハの物は俺の物だから、俺が受け取っても問題はない。

「ちょうどいい、俺達もブルグラに行こうと思ってたんだ」

 初耳だと言わんばかりの表情でナミハが視線を送ってきたが、俺は丁寧にシカトした。今日のお前に発言権はない。というか喋り方が気持ち悪くなってるんだから、喋ろうとするな。

 

 つづく。