ペンは剣よりも強し。

頭に浮かんだことを気ままに書いていきます。

勇者サマヤ物語 0032

 最近、運命の名を冠するゲームにうつつを抜かしていたので、更新が途絶えていた。実に一ヶ月と二週間ぶりか。まあ、そういう時もある。俺は悪くない。お前達は気長に待っていればいい。

 さて、お前達は記憶力に乏しいために忘れているかも知れないが、この旅の目的はジャギス討伐のための仲間を集めることだ。そのついでに、ジャギスの居所を特定し、そのまま有無を言わさず抹殺する。俺はこれを思い出すのに三時間くらい要した。
 そのための今後の予定はこうだ。
 まず、肌寒い季節になってきたので、とりあえず南に向かう。南の方がより暖かいというのは普遍的知識であるため、さすがのお前達も知っているだろう。そしたらヤモト神殿があるはずなので、その辺で異状がないか調べつつ、ジャギスを楽にぶっ殺すための魔法の開発に着手する。
「サマヤ、これからどうするんだ?」
「ちょっと考え事してるから黙っててくれ」
「え、ちょ、つめた……」
 ナミハの扱いなんて、こんなものだ。
 えーと、何だっけ? えーと。
 そうだそうだ、そして大陸全土の地図を手に入れるのだ。地図がないと困るからな。魔法方面においても凄まじい力を持つ運命の戦士でも、ル○ラは使えないのだ。というか、この世界に移動用の魔法は一つしか存在しない。その唯一の、空を飛ぶための魔法は、秘境ジュアンという場所でしか学べないらしい。つまり今の俺には使えない。魔法の名前は『フワリア』だった気がする。そのまんまだ。
 そう言えば、秘境ジュアンってどこにあるんだろう。かつてアララキが世界を旅していた時、訪れたことがあると言っていた。陸路や海路で時間を掛けて移動するのが旅の醍醐味だと思っていたが、ジュアンについて少しでも教わっておけば良かったという思いもある。何せ特別に便利な魔法だからだ。
「とりあえず、地図を手に入れよう」
「おっ、次の行き先を決めるためか?」
 ナミハの表情が明るくなった。
「そうだ。それと、ジャギスの潜伏先についても、改めて考慮しておきたいし」
「了解! 本格的になってきたなー」
 本格的も何も、最初から本気の旅だ。

 

 つづく。